前回の第一回から、だいぶ間が開いてしまいましたが、、、

シリーズ「母の父としてのディープインパクトの可能性を考える」

第２回として、

「ディープインパクトはフィリーサイアーなのか？」

というお題目で書いていきたいと思います。

「ん？フィリーサイアーって、何ぞや？？？」

という方が、いらっしゃると思いますので、簡単にフィリーサイアーについて、説明しますと、、、

フィリーサイアー：「牡馬の産駒よりも、牝馬の産駒が活躍する傾向にある種牡馬」

のことであり、種牡馬として、牡馬では活躍馬を出さないかわりに、牝馬の活躍馬や母の父と
して、強い馬を生み出す種牡馬のことです。

最近では、日本では、オルフェーヴルやゴールドシップ、ドリームジャーニーなどを出したメジロ
マックイーンが有名なフィリーサイアーですね。

牡馬の父としては、ほとんど活躍馬がいませんが、母の父としては、年度代表馬クラスの馬を
３頭も排出しています。（父は、全てステイゴールドですが・・・。）

あとは、ディープインパクトと好相性の母の父では、母の父として、キズナ等を出したStorm Cat
が有名ですね。


Mr.Prospectrorとの相性が抜群で、ミスプロ×バックパサーの配合でWoodman、Miswakｉなど数々の
名種牡馬を出したBuckpasserも有名です。


他にも、ブエナビスタ等牝馬に強いGⅠ馬が出ている「スペシャルウィーク」や


レッドディザイアを出した「マンハッタンカフェ」、


ダイワスカーレットを出した「アグネスタキオン」などは、


牝馬に強い活躍馬を出す種牡馬と言えるかもしれませんね。

では、ディープインパクトは、牝馬に大物を出す、フィリーサイアーなのか？


ディープインパクトが牡馬三冠を取り、種牡馬になってから、GⅠを勝っている産駒を以下に
列挙させて頂きますと、その傾向が見えてくると思います。

【訂正】
アキュチャー様より、ミッキーアイルが牝馬になっているとのご指摘を受けました。
ご指摘の通り、ミッキーアイルは牡馬になりますので、以下の★部分を訂正の上、お詫びいたします。
また、ミッキーアイルは、前日急遽引退、種牡馬になりましたので、（種）マークを追記しました。

牡馬：
GⅠ２勝：４頭★
（牡）リアルインパクト　2008　鹿毛 2011 東京 安田記念 GI　1着、2015　豪州 ジョージライダーＳ 1着（種）
（牡）エイシンヒカリ　2011　芦毛　2015香港　香港カップ GI　1着、2016 仏国 イスパーン賞 GI　1着（種）
（牡）ミッキーアイル　2011　鹿毛　2014 東京 ＮＨＫマイルＣ GI　1着　2016　京都 マイルCS　GI　1着（種）★
（牡）サトノダイヤモンド　2013　鹿毛　2016 京都 菊花賞 GI　1着、中山 有馬記念 GI　1着

GⅠ１勝：１０頭
（牡）ダノンシャーク　2008　鹿毛　2014 京都 マイルＣｈＳ GI　1着
（牡）トーセンラー　2008　黒鹿毛　2013 京都 マイルＣｈＳ GI　1着（種）
（牡）ディープブリランテ2009　鹿毛　2012 東京 日本ダービー GI　1着（種）
（牡）スピルバーグ　2009　鹿毛　2014 東京 天皇賞（秋） GI　1着（種）
（牡）キズナ　2010　青鹿毛　2013 東京 日本ダービー GI　1着（種）
（牡）ダノンプラチナ　2012　芦毛　2014 阪神 朝日杯フューチュリティＳ GI　1着
（牡）リアルスティール 2012 鹿毛 2016 アラブ ドバイターフ GI　1着
（牡）マカヒキ　2013　鹿毛　2016 東京 日本ダービー GI　1着
（牡）ディーマジェスティ　2013　鹿毛　2016 中山 皐月賞 GI　1着
（牡）サトノアレス　2014　黒鹿毛　2016 阪神 朝日杯フューチュリティＳ GI　1着

牝馬：
GⅠ７勝：1頭
（牝）ジェンティルドンナ2009　鹿毛（繁）　
　2012桜花賞GI　1着、オークスGI　1着、秋華賞GI　1着、
　2013 東京 ジャパンＣ GI　1着、
　2014 アラブ ドバイシーマクラシック GI　1着、東京 ジャパンC GI　1着、有馬記念1着

GⅠ２勝：３頭★
（牝）ヴィルシーナ　2009　青毛　2013 東京 ヴィクトリアマイル GI　1着、 2014 東京 ヴィクトリアマイル GI　1着（繁）
（牝）ショウナンパンドラ　2011　鹿毛　2014京都　秋華賞 GI　1着、2015 東京 ジャパンＣ GI　1着（繁）
（牝）マリアライト　2011　黒鹿毛　2015　京都エリザベス女王杯 GI　1着、2016 阪神 宝塚記念 GI　1着（繁）

GⅠ１勝：１０頭
（牝）マルセリーナ　2008　鹿毛　2011 阪神 桜花賞 GI　1着（繁）
（牝）ジョワドヴィーヴル　2009　鹿毛　2011 阪神 阪神ジュベナイルフィリーズ GI　1着
（牝）Beauty Parlour(GB)　2009　鹿毛　2012 仏国 仏１０００ギニー GI 1着
（牝）アユサン　2010　鹿毛　2013 阪神 桜花賞 GI　1着
（牝）ラキシス　2010　鹿毛　2014 京都 エリザベス女王杯 GI　1着
（牝）ハープスター　2011　鹿毛　2014 阪神 桜花賞 GI　1着（繁）
（牝）ショウナンアデラ 2012 鹿毛　2014 阪神 阪神ジュベナイルフィリーズ GI　1着
（牝）ミッキークイーン 2012 鹿毛 2015 東京 オークス GI 1着、京都　秋華賞 GI　1着
（牝）シンハライト　2013　黒鹿毛　2016 東京 オークス GI　1着
（牝）ヴィブロス　2013　青毛　2016 京都 秋華賞 GI　1着

牡馬が、GⅠ馬が１４頭★、その内GⅠ２勝している馬は、４頭★に対し、
牝馬は、GⅠ馬が１５頭★、その内GⅠ２勝以上している馬が、４頭★と牡馬より若干★好成績ですね。

GⅠの数でも、７冠牝馬のジェンティルドンナがいるので、

牡馬が、GⅠ１８勝★に対し、
牝馬は、GⅠ２４勝★も挙げています。

牡馬でも、GⅠ馬はかなりいますし、ミッキーアイル★やサトノダイヤモンドが、国内GⅠ２勝を挙げて
いますので、活躍馬が牝馬に偏っているフィリーサイヤーであるとは、必ずしも言えなくはないのですが、


牝馬でも、ジェンティルドンナの様に、牡馬を相手に好成績を残す馬が多数出ていることから、
ディープインパクトは、牝馬の活躍馬（大物）が多い種牡馬ということが言えると思います。


では、牡馬と牝馬で、同じ父なのに、能力に差が出ることがあるのかというと、牡馬と牝馬では、
遺伝子の遺伝がちょっと異なるからです。

詳細な話は長くなるので、また次回につづきます。